・「第一人者」は誰か

「現代のフットボールシーンにおけるサイドバックの第一人者」と言われて、読者の皆さんはどの選手を思い浮かべるだろうか。

右サイドバックであれば、ダニエウ・アウヴェス(バルセロナ)、シュテファン・リヒトシュタイナー(ユヴェントス)、ウカシュ・ピシュチェク(ドルトムント)が、左サイドバックであれば、マルセロ、ファビオ・コエントラン(レアル・マドリー)、アシュリー・コール(チェルシー)、パトリス・エヴラ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョルディ・アルバ(バルセロナ)、レイトン・ベインズ(エヴァートン)が、左右どちらでも機能するサイドバックであれば、フィリップ・ラーム(バイエルン)、長友佑都(インテル)、アルバロ・アルベロア(レアル・マドリー)、パブロ・サバレタ(マンチェスター・シティ)、グレン・ジョンソン(リヴァプール)、アドリアーノ(バルセロナ)といった選手たちが候補に挙がるだろう。

上記したサイドバックたちに共通しているのは、

①攻撃力に優れている
②90分を通して攻守に渡って貢献できる
③好不調の波が少ない
④スタミナに恵まれている

といった点だろう。当然、これらの武器をハイレベルで兼備しているサイドバックはそれほど多くない。

このことからも、世界的なサイドバックの人材難の理由が読み解けそうだが、特に現代のサイドバックに求められているのはどの点だろうか。筆者は①が「サイドバックに求められる役割の変化」の大きな要因になっていると考える。

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