しかし、油断は禁物である。ギリシャにも警戒するべきポイントはある。まずは、1トップを務めるコスタス・ミトログルの存在だ。ミトログルは現在25歳。今ギリシャで最も勢いのあるCFで、W杯欧州予選プレーオフのルーマニア戦では、2試合で3得点を記録しチームを救った。また、所属するオリンピアコスでもここまで14得点と得点ランキングを独走している。
ミトログルは大柄な選手(188cm)で体が強い。ポストプレーが上手いだけではなく、味方を活かすことにも長ける。また、ボールを受けてからシュートに待っていくまでの一連の流れがきわめてスピーディで、ゴール前では非常危険な相手である。細かい個人技はできないが、シュートレンジは広く、パンチ力もあり、両足も使えるなど、ボールを持ったら必ずプレッシャーをかけたい危険な存在だ。現在乗りに乗っているミトログルは、日本にとって最も注意しなければならない相手であろう。
また、セットプレーも要注意。ミトログルもそうだが、セルティックでの活躍が印象に強いヨルギオス・サマラス(代表では左サイドでプレーしている。意外にもハードワークができる)など、ギリシャには上背のある選手が少なくない。また、左サイドバックのホレバスのクロスは正確で、セットプレーの守備を得意としない日本にとっては、徹底的に狙われる可能性がある。昨年11月のベルギー戦で試したような、「ダブル酒井」も一つのオプションだろう。