車越しに、手前のファンから順々にサービスするテリー。1メートル、また1メートルとこちらに近付くにつれその緊張感は増していく。そして、今田さんの前へと憧れの背番号26がやって来た。

しかし、ここで自分の身に予期せぬ事態が発生。渡英を実現させるまでの苦労、徹夜で考えたメッセージ、そして何より強い感動からなのだろう。いろいろな感情が限界値を振り切り、身体が硬直して動けなくなってしまった。

次いで言葉が出なくなり、思考は停止し、とうとう涙まで流れ出す。憧れ続けた人が目の前にいるというのに、その人が気を遣って「どうしたの?」と聞いてくれているのに……。湧き出る悔しさがさらなる追い打ちをかけ、本当に何も出来なくなってしまった。

その時だった。テリーが突然、車のドアを開けた。そのまま外に出ると、うつむきながら涙を流す今田さんのもとへ寄り「泣かないで、泣かないで」と励ましの声かけたのだ。

通常であれば車越しにしか接することがない状況だけに、異例のサプライズだった。

この温かさに感激し「つい抱きついてしまった」と今田さん。テリーはそれをも快く受け入れ、手紙を受け取るとともにツーショット撮影にまで応じてくれた。