そのプレーオフ、スウェーデンとの大一番(2試合だが)でめざましい活躍を見せ、4得点をあげたのが千両役者クリスティアーノ・ロナウドだ。これだけを見ても、チームにとってどれだけこの男が重要な存在なのかがはっきり分かる。

左サイドに配置されるロナウドは、試合ではほぼ2トップの一角のようなストライカーとして振る舞う。守備にはそれほど戻らない代わりに、攻撃の際に自由なポジショニングからボールを引き出し、ドリブルで相手の守備陣を切り裂く。突破力もスピードも、得点力も世界屈指だ。もちろんチームとして彼に頼らない手はないわけである。

しかし、逆に言えばロナウドに頼りすぎているところが分かりやすい欠点だ。彼だって人間である。かつてよりも精神的な揺らぎが少なくなったとはいえ、不調の日はあるし、怪我を抱える可能性もある。そうなった場合にチーム力がダウンするのは、ある程度仕方のないことだと割り切っていくしかないだろう。

したがって、相手のチームにとっては、ポルトガルと戦う場合には『クリスティアーノ・ロナウドを抑えられなければ負ける』というプレッシャーがかかることにもなる。リオネル・メッシと比較しても、ロナウドは一人で何でも出来る汎用性の高い選手だ。相手にとっては脅威以外の何物でもない。