とはいえ、それだけを語って終わるのは忍びない。ポルトガルは人口の少ない小国ではあるが、世界的にも有名なタレントが目白押しである。もちろん、ナニとロランドを排出してくれたアフリカの小国カーボヴェルデにも感謝をしなければならないが。
特に質が高いのは2列目の中央。豊富な運動量と高い得点力を持ち、パスワークにも絡んでくる全身タトゥーの男がラウール・メイレレス。そして小柄な体でダイナミックにピッチを動き回り、巧みなポジショニングと高いパスセンスでチームの根幹となるのがジョアン・モウティーニョ。それを後ろから支えるのがイケメンとして知られるミゲウ・ヴェローゾ。高い守備力を持ちながらも両足を巧みに使い、フリーキックも得意とする。
また最終ラインも世界レベルだ。長年チームを支えるブルーノ・アウヴェスは、190cmの長身に頑健なフィジカル、さらに正確無比のフィードを備える万能ストッパー。コンビを組むペペはレアル・マドリーの守備の要を務めるほどの力を持つ選手であり、誰よりも激しく、誰よりもダーティーに、相手選手を恐怖のどん底に陥れる。左サイドのファビオ・コエントロンは攻撃力に長け、ロナウドを後ろからサポートする存在として重要だ。