南アフリカW杯の欧州予選では、スロバキア、チェコ、北アイルランド、ポーランドといった実力伯仲のグループに入ったスロベニア。

2009年4月に代表デビューを飾ったペチュニクは、予選後半戦において「ジョーカー」としての役割を果たし、同年10月10日の首位スロバキアとの大一番では途中出場で2-0の貴重な追加点を奪取。記念すべき代表初ゴールを記録すると、翌月に行われたロシアとのプレーオフでは、まさに値千金のアウェイゴールを決めてチームを2度目のW杯出場へと導いた。

彼の特徴は、189cmという長身に幅のある体格、高い技術、そして熱いハートであり、プレースタイルとしてはボールを収める能力に長けたタイプ。ポジションは一応FWとなっているが、1列後ろの攻撃的MFとしても中央・サイドを問わずプレー可能で、パワフルなシュートなど得点力も高い。

2010年当時、スロベニア代表はマティアジュ・ケク監督のもとシステマチックな4-4-2をベースにしたハードワークが売りのチームであり、その中でやや毛色の違う彼のプレーがハマったとも言えるだろう。

南アフリカW杯では、アルジェリア戦、アメリカ戦の2試合に出場したペチュニク。当時まだ24歳でその後の飛躍が期待されたが、元々ナシオナルでも際立ったプレーを見せていたわけではないため大きなステップアップは果たせず。ロシアのクリリア・ソヴェトフでまずまずの活躍をして迎えた2012-13シーズンのイングランド2部、シェフィールド・ウェンズデイでの挑戦も不発に終わった。

ただ、ここ1年半プレーしてきたセルビアの名門、レッドスターことツルヴェナ・ズヴェズダでは調子を取り戻しつつあり、先月のイングランド代表戦にも招集。そうした中で今回、ジェフ千葉への移籍を決断している。

実は現在、スレチュコ・カタネツ監督率いるスロベニア代表でアシスタントコーチを務めているのが元ジェフのミリノヴィッチであり、今回の移籍に際して代表のチームメイトだけでなく彼にアドバイスを求めた可能性もありそうだ。

いずれにせよ、Jリーグでスロベニア人に「優良外国人選手」としてのイメージが固まりつつあるなか、ペチュニクがJ2で6年目を迎えるジェフをJ1復帰へ導く救世主になれるのか注目される。

なお、千葉の公式サイトでは「ネイツ・ペチュニク (Nejc Pecnik)」として紹介されている彼の名前。正式な綴りは「Nejc Pečnik」で、後ろの「c」にハーチェクという記号が付いてることから発音も「ネイ・ペチュニク」となる。

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