伝統のキック&ラッシュ

戦術はイングランド伝統のキック&ラッシュであることには変わりがない。ポゼッションはこれまで平均45%とベスト8進出チームでは最も低い。パス成功率も高くない。一方で、ロングボールの割合は22%と参加国の中で最多となっている。とにかく、ロングボールを前にあててくるチームと言える。そこからこぼれ球を拾うなどしてドリブルで崩すというのが攻撃のパターンになる。

また、1vs1に非常に重きを置いている。キック&ラッシュの影響もあるが空中戦の回数が非常に多くこれも参加国最多の187となっている。1vs1の回数は600回以上を数え1試合あたり120回ダントツでトップである。


なでしこジャパンとイングランド女子代表の比較

日本代表の対策は?

こう考えると、日本代表は"高さ対策"を強いられる。ゴールキーパーのローテーションが再び見られるかも知れない。なでしこジャパンはこれまでゴールキーパーを対戦相手ごとに変えてきた。スイス戦では高さ対策として山根恵里奈を起用したが、実はスイスは空中戦の強さはあれど日本と同じぐらいショートパスをつないでくるチームだった。真価を問われる大一番になるかも知れない。

また、ロングボールが主体ということは中盤でのプレッシングを飛ばしてボールが上空を行き交う状況にあると言える。日本はこぼれ球を如何にして拾えるか?という課題がでてくるだろう。男子サッカーの世界でも、セリエAで3ボランチによる中盤のプレッシングが主流になったことから、それを回避するためのアンチ戦術(オフサイドトラップ、高いDFライン、サイドアタック重視で4-4-2のイングランド風)をとったキエーヴォが大躍進を遂げたという過去がある。額面通り受ければ、得意ではないタイプの相手と言えるが、そこは阪口、宇津木の世界に誇るダブルボランチが奮闘してくれると信じたい。

個のドリブルで崩すといえばオランダの3トップであったし、高さといえばオーストラリアやスイスがあがる。そうしたチームの良い所を持ち合わせたイングランド女子代表なかなかの強敵である。

【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

ラッシュフォードの私服がやばい