次に、「Four Four Two」の企画であるイアン・ダウィ氏の「チームのコミュニケーションを構築する練習」を取り上げて行こう。
Iain Dowie: Building a good vocal unit
http://performance.fourfourtwo.com/pro-tips/iain-d...
ここでは、特に「声」を通した言語コミュニケーションに着目している。
コミュニケーションと聞けば、最初にイメージされるのが言語コミュニケーションだとは思うが、一流のフットボール選手達はハンドサインなどでも、お互いに守備時のポジショニングを調整することが出来る。しかし、今回のコラムで扱うコミュニケーションは、ダウィ氏が扱っている「言語でのコミュニケーション」に近い。
彼は最初に、「コミュニケーションとは試合において、非常に重要な部分である。特に4バックにとって重要なものだが、それはチーム全体でも欠かせないものだ」とコメントしている。この部分は、当然UEFAの練習ともリンクしてくる点だろう。
特に自分たちがボールを持っていない場面、言語でのコミュニケーションは個々のポジションを調整する面で欠かせない。彼がここで紹介している練習はシンプルなものだ。「まず、DFライン、MF、FWから1人ずつ指示を出す選手を選択する。そして試合形式の練習の中で、その選手が指示を出しながら試合を進める」というものだ。これは、個々の選手がそれぞれコミュニケーションを取ろうとしていく意識を持つという意味で重要だろう。
勿論ダウィ氏も、性格的な違いによるコミュニケーションの上手さ、というものの存在も認めているが、それは決して指示を「1人に任せきりにしていい」ということではない。チームに指示を出す中核的な選手がいる事を前提としても、それ以外の選手達も状況に応じてコミュニケーションを取り合うことで、細かな部分を調整していく必要があるのだ。
また、指示というのは、全体の状況を把握しているから出せるものだ。そういった意味でこういった練習は、「選手個々が全体を把握しようとする意識を持つ」という点で重要だ。