英国『Guardian』の人気企画、"The Knowledge"。
サッカーに関して意外と知られていない事実をコラム感覚で伝えるというこの企画では興味深いトリビアが紹介されており、これまでQolyでもマルシオ・リシャルデスの記録などをお伝えした。
そんな同企画が4月の特集していたのが、「得失点差プラスで降格したチーム」というもの。
一般的に降格するチームは、なかなか結果が出ないものである。結果が出ないということはつまり勝利が少ないということであり、得失点差はマイナスになりがちだと推測される。
しかし、下部リーグに降格したにもかかわらず、得失点差で記録的なプラスを打ち立てていたチームがあったそうだ。それが、1998-99シーズンのギリシャ3部リーグに在籍していたレシムノ・クリティだ。
インターネット黎明期より存在するサッカーサイト『RSSSF』によれば、当時のリーグテーブルの降格圏のチームの成績はこうなっていたそう。
8位:レヴァディアコス:8勝9分5敗 勝ち点33 29得点25失点 得失点差+4
9位:レシムノ・クリティ:9勝4分9敗 勝ち点31 39得点28失点 得失点差+11
10位:パナルギアコス:6勝3分13敗 勝ち点21 16得点29失点 得失点差-13
11位:アハイキ:3勝4分15敗 勝ち点13 20得点48失点 得失点差-28
12位:アイオリコス:2勝4分16敗 勝ち点10得点 12得点41失点 得失点差-29
と、得失点差+11で降格!?
当時のギリシャ3部リーグは12チームで戦い、8位から12位までが降格するというレギュレーションだった。降格チームが5つというやや特殊な条件ではあるが、得失点差+11で降格するチームはそうないだろう・・・。
ちなみに、Jリーグに降格のレギュレーションが導入されて以降、得失点差プラスの状態でJ1からJ2へと降格したのは2012年のガンバ大阪のみである。この時ガンバは9勝11分14敗、67得点65失点の得失点差+2でシーズンを終了しており、J1で17位となり自動降格の憂き目にあった。
J2に降格したチームでその次に優秀な得失点差を記録していたのは、2010年のFC東京。この時東京は8勝12分14敗、36得点41失点の得失点差-5でシーズンを終え自動降格となっていた。
なお、過去5シーズンの欧州5大リーグを見ても、2部に降格したチームの中で得失点差がプラスだったチームは存在しない。2010-11シーズンのモナコを除く全ての降格チームが得失点差でマイナス二桁を記録しており、やはりプラスで降格するのはかなり珍しいケースであるようだ(モナコはこの時-4だった)。