この夏、バルセロナでの24年間のプロ生活に別れを告げたMFチャビ・エルナンデス。

長きにわたりバルセロナのポゼッションサッカーを支えてきたチャビの退団により、クラブは新たなフットボールへの転換を強いられたわけだが、そんなチャビが自身の後継者に指名した選手がいる。

バルセロナのフットボールを構築する上で最もサッカーIQを要するとも言われる「アンカー」の位置を担う、セルヒオ・ブスケツだ。

バルセロナの下部組織出身のブスケツは、戦術理解に長けた中盤のプレーヤーである。ペップ・グアルディオラに才能を見出され2008-09シーズンにトップチームデビューを飾ると、あのヤヤ・トゥレからレギュラーを奪い、早速チームの三冠に貢献して見せた。

その後はチャビ、イニエスタと世界最高の3センターを構築し、スペイン代表でも絶対的なアンカーに成長。メッシやスアレスといったあまりに特別な個が混在するバルセロナにおいてその活躍は決して目立つものではないが、バルセロナの攻撃はいつもブスケツから始まっている。

さて、そんなブスケツの特徴の一つが、ボールキープ力だろう。長身ながら足元の技術に絶対の自信を持つブスケツはそう簡単にボールを失わず、そのキープ力は中盤に安定感をもたらしている。

なかでもブスケツがよく見せるのは、足の裏を使って相手の逆を取り、マークを一瞬交わすというプレーだ。相手を「いなす」プレーとも言い換えられる。今回は、ブスケツが得意とする「いなしプレー」だけを集めた動画を見てみよう。

動画を見ると分かるが、ブスケツは「足の裏でボールを引き相手の裏を取る」というこのプレーを何度も繰り返している。

しかし、そのプレーがブスケツに一瞬の余裕を与えフリーな状況を生み出しており、アンカーの選手にとって相手をかわすドリブル突破が必ずしも必要でないことを教えてくれる。

今度は、ブスケツの守備での貢献にフィーチャーした映像を見てみよう。

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