エムレ・ジャンがシュートした際、ミュラーはここにいた。
赤丸内の左手にいる選手がミュラーだ。
こういったシチュエーションではGKがどこにボールを弾きやすいか、おそらく無意識的に理解していたのだろう。相手DFの間にポジションを取り、後はボールがこぼれてくるのを待つだけだった。
このミュラーのシュートは、消して美しいものではない。
No question, @esmuellert_... No question... #SCOGER #Müllert pic.twitter.com/XGFLa1xsrq
— Bavarian FB Works (@BavarianFBWorks) 2015, 9月 7
素早く弾むボールになんとか頭で合わせた格好であり、ある種無理やりゴールにねじ込んだ印象がある。
しかしそれでも、ミュラーはゴールを奪うのである。
これでミュラーは2014年ワールドカップから現在まで16戦で16ゴール。リオネル・メッシのようなドリブルスキルも、クリスティアーノ・ロナウドのようなスピードも、ズラタン・イブラヒモヴィッチのようなフィジカルもないが、天性の嗅覚でゴールを量産し続けている。
ちなみに、この試合でミュラーがあげた1点目もどこか不思議なゴールだった。
Thomas Müller on the team sheet again! No angle is to tight. #Müllerd pic.twitter.com/8Sxn15opEP
— Bavarian FB Works (@BavarianFBWorks) 2015, 9月 7
ダイアゴナルなドリブルで相手GKのポジションをズラし、逆サイドへとシュート。シュートの威力は弱かったが、ここしかないコースへとボールは飛んでいきネットを揺らした。
ボールがこぼれる所にミュラーあり――ゴールを“引き寄せる”ポジショニングが光ったシーンだった。
なお、試合はドイツが3-2で勝利し、グループFの3位以上を確定させている。