2013シーズンの第32節、鳥栖や甲府らと残留争いをしていた湘南はFC東京戦で1-2と敗れ、J2への降格が決定していた。

降格の決定打となった2失点目は後半アディショナルタイムに喫したものであり、それだけに選手やスタッフのショックは大きかったという。あれから2年が経過し、そうした因縁めいたスタジアムで湘南の選手たちは「J1残留」という結果をつかみ取ったのだ。

そうした選手たちの奮闘を見た湘南のチョウ・キジェ監督は試合後、テレビ中継のフラッシュインタビューに登場。厳格な指導者として知られる同氏だが、珍しく感情的になっていた。

インタビュアーである日々野真理さんとのやり取りがこちら。

※できる限り口語調のまま掲載

―湘南ベルマーレ、チョウ・キジェ監督にお越しいただきました。まずは勝利、本当におめでとうございます。

チョウ・キジェ「ありがとうございます」

―まず、サポーターの皆さんとの雰囲気を見てすごく伝わるものがありました。この試合、特別なものに一つなりましたでしょうか?

チョウ・キジェ「2年前にここでJ2行きを味わった、もう帰ってこないと誓ったつもりだったんですけど、まぁそういうピッチで今日勝つとしたらこの展開しかないなと思って、少し無骨な展開になりましたけれど。本当に100%出さないとJ1でプレーできない選手たちの集まりだと思いますけれど、100%出し切った彼らは本当に心を動かされるというか、そういうものをもらったし………本当に嬉しく思います」

―今日の試合のポイントの一つでもあった古林選手の起用、そして古林選手はその2年前の話をさっきヒーローインタビューでされました。監督の狙いとした部分に選手が応えてくれたという結果ではないですか?

チョウ・キジェ「いやもうそれは別に選手がやったことなので、僕が狙いとしてることをやったからといって勝てるわけじゃないと思いますし。まぁでも、ずっとキャプテンをやってる(永木)亮太が足つっても………すぐ立ってプレーする………(両目に涙を溜め、ぐっと堪える)。それは素晴らしいことだと思います」

―チームの2点目のシーンもペナルティエリア内に詰めている人数の多さ、それが本当の戦い方、それを象徴していたように思います。

チョウ・キジェ「まぁ我々は本当に相手より多く走って相手より数多く攻めて、数多く守るというのがスタイルの中心なんで………何も言うことはないです」

―また今年味スタで一つ、一歩進んだと思うんですけど、これから積み上げていく部分、残り3試合リーグ戦でどんなところを監督は大事にされたいですか?

チョウ・キジェ「ここ最近勝ち点3取れなかったんで、明日また練習試合ありますし、この3試合で強豪チームばかりが我々の前に立ちはだかってくるんで、そこを受けずに、まだまだ成長できると思うんで、そこをしっかり上げたいと思います」

―湘南ベルマーレ、チョウ・キジェ監督でした。おめでとうございました。

チョウ・キジェ「ありがとうございました」

涙こそ流れていなかったものの、チョウ監督の目には明らかに熱いものが込み上げていた。目は赤く充血し、言葉に詰まっていた。

なかでも最も感情が込み上げているように見えた部分は、永木亮太の姿勢について言及したシーン。後に行われた公式記者会見の中でチョウ監督は「キャプテンの永木が足を攣って大変だったと思いますが、攣ってもあの場面で1秒後に立ち上がってプレーする姿は、すごく嬉しかった」と話している。

J1残留というある種のノルマをクリアしつつも何よりもチョウ監督の胸を打ったのは、2年前から大きく成長した選手たちの姿だったのだ。その気持ちを熱く語る様子は、見ている者の心に訴える何かがあった。

実際の映像は、是非『スカパー!や』『J SPORTS』での再放送、あるいは『スカパー!オンデマンド』での見逃し配信でご確認いただきたい。

【外部リンク】スカパー! - サッカー

【外部リンク】J SPORTS - サッカー

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