26日、五輪出場まであと一勝と迫る日本代表チームはイラクとの準決勝を戦う。これに敗れて3位決定戦に回れば相手は地元のカタールか、あるいは強豪の韓国。出来ればここで確実に勝利を収めたいところだ。

しかし、この年代の日本代表はこれまでU-19、U-22でイラクに敗れて大会を去っている。相性としては決して良くはない対戦だ。

イラクサッカー協会は公式FacebookでA代表にも定着しているMFサーイフ・サルマンの追放を発表しているが、彼は今回のチームではあまり重要な戦力ではなかった。日本にとってそれほど大きなメリットになるとは考えにくい。

今のイラク代表チームで注意すべき選手とは?

11 / MF / フマーム・タリク

イラクのフル代表にわずか16歳で名を連ね、世界的に大きな話題を集めた左利きのミッドフィルダーだ。

小柄な体格であるが、豊かな運動量と闘争心を生かしたプレーを得意としている。ウイング、センターハーフ、トップ下、サイドバックと様々な起用に応えられるが、基本的にはハードワーカーでありファイターである。

時に「イラクのメッシ」だの「イラクのモドリッチ」だの言われるが、彼は特にドリブラーでもプレイメイカーでもない。加速力と機動力、テクニックにも優れるだけで、彼の強みは上記のように闘争心だ。

激しい守備と切り替えの速さ、狡猾さ、思い切りの良い攻めが特徴であり、気持ちの強さに高い技術、身体能力を兼ね備える。

2014年ワールドカップ予選のオマーン戦でフル代表にデビューを飾るも、その試合でオウンゴールを喫して交代に。ベンチで号泣している場面は世界中で話題になった。

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