FKクバン・クラスノダール と FKクラスノダール(ロシア)

ロシア・プレミアリーグで戦うクラスノダールの2チームはややこしいことで有名だ。

ロシアの中でも最も古い歴史を持っているクバン・クラスノダールは1928年の創立。「クバン」という名前はクラスノダールの属する地域、そして街を流れる川の名前だ。

当初はディナモ(つまり内務省)・クラスノダールという名前で設立され、1954年まで地域の重要なチームとして活躍。

一旦解散したものの、石油業者を意味するネフチャニクというクラブ名を経て、1958年に「クバン」となる。また1960~62年には「スパルタク」になっていたが、その後「クバン」に落ち着いた。

ソビエト連邦サッカーリーグが始まってからは主に2~3部を中心に戦ってきたものの、2010年に2部を優勝してからはプレミアリーグへの残留を続けており、昨季はカップ戦で準優勝も果たした。

1992~2008年の間に25回の監督交代があったという特殊な記録も持っている。今はボルシア・ドルトムントやシャルケ04でプレーしたフェリペ・サンタナが所属している。

一方のFKクラスノダールは逆にロシアでもかなり新しいチームだ。創設者でありオーナーでもあるセルゲイ・ガリツキーはロシアの大富豪である。

彼は同国最大、そして世界第4位の規模を持つ小売業者であるマグニットのオーナーでもあり、その資産は80億ドルというとんでもない数字になっている。

彼はクラスノダール地方のソチ生まれで、ロシアのサッカーに寄与したいとして2008年にFKクラスノダールを設立。3部からのスタートだったが2011年にはプレミアリーグに辿り着き、それからロシア屈指のクラブになった。

ヨーロッパリーグにも2年連続で出場しており、今後が楽しみなチームである。なお、胸スポンサーのコンステル・グループは、オーナーのグループ企業の1つでもある。

ちなみに、FKクラスノダール-2000というクラブも存在していた。2011年にディナモ・スタフロポリに吸収合併され消滅している。

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