CAウラカン と CAウラカン・トレス・アロジョス(アルゼンチン)

アルゼンチンにはとんでもない数の「CAウラカン」があることで知られる。ハリケーンの語源になった言葉らしく、まさに嵐のように……

その中でも有名なのは元祖CAウラカン、そしてあのロドリゴ・パラシオが所属していたことでも知られるCAウラカン(トレス・アロジョス)だ。

1908年に創設されたCAウラカンは、これまで国内リーグを5回、各種カップ戦を8回獲得している強豪クラブの1つだ。

エンブレムに使用されたのはアルゼンチン航空の先駆者であるホルヘ・ニューベリーの気球がモチーフである。

1909年には気球によってアルゼンチン―ブラジル―ウルグアイ間の飛行を成し遂げた彼は、ブエノスアイレスの空港に名前が冠されるなど同国の偉人だ。

クラブは彼にちゃんと使用許可を貰い、1914年にトップリーグに辿り着いた際にはお礼状も送っているそうだ。しかし、その年にホルヘ・ニューベリーは墜落事故で死去している。

そして、そんな強豪クラブを真似て作られたのが各地のウラカンだ。その中でも早かったのが1923年発足のトレス・アロジョス。

エンブレムはもとより、ユニフォームも白と赤。全くのコピー商品であるが、このようなクラブがいくつもあるのがアルゼンチンのおおらかさである。

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