23日、イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票が行われ、「EU離脱多数」が確実と発表された。
日本でも早くも日経平均先物にサーキットブレーカーが発動されるなど影響が見られる。果たして、今後英国のサッカー界に与える影響はどうなるのか英国各紙を調べてみた。
100人以上の選手がプレーする権利を失う
EU圏内の選手であるためにプレーできていた108名もの選手が、労働ビザを発行できずにチームを去ることになる。
イングランドでは直近の代表で主力でないと労働ビザが発行されない。そのために実に4チーム分もの選手が行き場を失うことになる。
プレミアリーグの労働ビザ発行条件
FIFAランク1-10位の国については直近2年で30%の試合に出場していなければならない。
11-20位は同45%の試合に出場していなければならない。
21-30位は60%、31-50位は75%出場していなければならない。
リヴァプール大学のババトゥンデ・ブライモ教授によると
「これによって、強豪国の主力選手を補強することはできるだろう。
しかし、アントニ・マルシャル、エンゴロ・カンテ、ディミトリ・パイェットのような選手たちを“発掘”することはかなわなくなる。
リヴァプールなどは、フィリペ・コウチーニョ、エムレ・ジャン、デヤン・ロヴレンら8名以上の選手がプレーできなくなる計算だ」
と言う。
このルールで想定するならば、マンチェスター・ユナイテッドにクリスティアーノ・ロナウドは加入できなかったことになる。となれば、後にリーグ、世界を代表するプレイヤーはスペインやドイツ、イタリア、フランスに奪われかねない。
「しかし、合理的な政治家がいればルールは緩和されるでしょう。今やプレミアリーグは、英国最大の輸出品、我が国への純利益を過小評価すべきではない」
と楽観的な意見も同時に口にしている。
プレミアリーグでは2014年に65%が外国人プレイヤーであり、今シーズンはおよそ66.8%であった。もはや外国人選手なしにはリーグは成立しないのだ。