青田買い不可
もう1つの側面は青田買いができなくなることである。
アーセナルがバルセロナのユースからセスク、エクトル・ベジェリンらを獲得したように、イングランドでは他国のルールの盲点をついた青田買いを得意としてした。
FIFA規則第19条は、EUまたはEEA内の16から18歳の未成年者の移籍を可能にするが、EUでなくなってしまえば未成年者の移籍が不可能となる。
となれば、プレミアリーグは外国人の少なく自国選手中心のリーグになるということなのだろうか?
青田買い戦略を得意とするアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は「EUの中にUKがあるということが大事」とEU離脱に反対する声明を発表している。
放映権はどうなる?
リチャード・スクダモア、プレミアリーグ会長は「ビジネスの観点からはヨーロッパでなくてはならない」と語るが、市場のグローバル化を訴えている。
2016年から2019年までの3年間で、テレビ放映権料は95億ユーロ(およそ1兆1千億円)にも及ぶ。そのうち、国内での売り上げは69億ユーロ(およそ8200億円)で意外にも“国内“の比率が高い。
このことに関してスクダモア会長は「単一の市場に依存するべきではない」と警笛を鳴らした格好になる。EU離脱を機に海外へ放映権を売却することの加速化が予想される。
実際に、イギリスのEU離脱が決まるのはもう数年かかることになる。しかし、サッカーだけでなく、テニス、ラグビー、クリケットなどもルールや賞金などに大きな影響があることが予想される。スポーツは政治に翻弄されてしまうのか…、大きな転換が訪れようとしている。