リオデジャネイロ五輪に出場した手倉森誠監督率いる日本代表の挑戦は、グループステージ敗退という結果に終わった。

スコアは、ナイジェリア戦が4-5、コロンビア戦が2-2、スウェーデン戦が1-0。いずれも接戦で3連勝もありえた相手だったが、やはり最初の2試合で7失点を喫してしまっては厳しい。教訓として記憶されるべき大会といえる。

ただそうした中でも、自らの持ち味を発揮して評価を高めた選手がいる。筆頭はおそらくMFの大島僚太だろう。

今年1月のAFC U-23選手権で評価を落とし、リオ五輪開幕時点では中心選手とはいえない存在だった大島。

ところが、初戦のナイジェリア戦で多くの得点に絡むと、コロンビア戦では途中出場で一気に流れを変えた。そして、最終戦となったスウェーデン戦でも矢島慎也の決勝点をアシスト。

6月の時点でヴァヒド・ハリルホジッチ監督率いるA代表に選出されており、来月から始まるロシアワールドカップのアジア最終予選でも注目を集める存在になりそうだ。

その予選を前に、大島の選手としての強み、そしてAFC U-23選手権の頃と今では何が変わったのかについて触れてみたい。

2011年に静岡学園高校から川崎フロンターレへ入団した大島。その当時から特に優れていたのは、トラップの技術だ。身長は168cmと決して高くないが、足もと深くにボールを収めることが得意でターンも上手く、一つのトラップで相手を外すことができる。

その中で、風間八宏監督や中村憲剛らの薫陶を受けて成長。今年、日本人で初めて「フロンターレの10番」を背負うほどの選手になった。

では、現在の大島僚太の具体的にどこが素晴らしいのか?

一つは判断の速さと精度である。

【次ページ】五輪での大島のプレーを改めてチェック!