3. 中堅クラブが起こしたミラクル、そして過渡期へ
アンデルレヒト、クルブ・ブルッヘ、スタンダール・リエージュの“三強”が長く覇権を争うベルギー1部ジュピラー・リーグ。
しかし2014-15シーズン、奇跡が起きる。中堅クラブであるKAAヘントがリーグ優勝を成し遂げたのだ。
3強以外の優勝は2010-11シーズンのヘンク以来であり、KAAヘントにとってはクラブ創設後初のリーグ優勝であった(2008年から2012年までズラタン・リュビヤンキッチもプレーしていた)。
チームにタイトルをもたらした指揮官はハーン・ファンハーゼブルック。コルトライクでリーグカップを準優勝するなど結果を残した期待の指導者で、マルク・ウィルモッツ監督の後任としてベルギー代表監督の候補にも挙がった人物だ。
「パタリロ!」に登場するパタリロ・ド・マリネール8世にちょぴり似た癒し系でもある。
そんなKAAヘントだが、リーグ優勝しUEFAチャンピオンズリーグでもベスト16に進出したことで選手が大きく入れ替わっている。
リーグ優勝の立役者であるGKマッツ・セレス、MFスヴェン・クムス、FWローラン・デポワトルはそれぞれ海外クラブに引き抜かれており、チームは現在過渡期にあるのだ。
そうした状況で加入したのが久保裕也だ。
KAAヘントはこの冬積極的に選手を獲得しており、久保は7人目の補強となる。その移籍金はクラブ史上最高クラスであると言われており、期待の高さが窺える。
チームは現在6位と中位を彷徨っている。今後の成長を占う上で非常に重要なこのタイミングで、久保はクラブに何をもたらすのか注目だ。