現在大きな話題の一つとなっている東芝の経営難。四半期決算を発表することもできない状況となり、東証2部への降格も示唆されている。

黒字分野である半導体事業の売却なども計画されているが、それ以降会社がどのように利益を上げていくかについては不透明な状況である。

特に近年大きな足かせとなっている原子力事業の状況も懸念されており、株価はこの数日で急落した。

しかし、経営というのは山もあれば谷もあるもの。日は昇り続けることはなく、そして沈み続けることもないのである。

今回は、サッカー界で破産を経験しながらも復活してきた者たちを特集してみた。

フィオレンティーナ

ルイ・コスタやガブリエル・バティストゥータが所属し、セリエA屈指の強豪クラブであったフィオレンティーナ。1990年代にはヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ氏の経営の下で大きな結果を残していた。

ところが、2001年に財政の問題が発覚。5000万ドル(現在のレートでおよそ56.2億円)の負債があり、賃金の支払いが不可能になった。2002年にはフィオレンティーナは破産し、セリエBにも所属できず、事実上存在できなくなった。

しかし2002年夏、ディエゴ・デッラ・ヴァーレ氏がオーナーとなった「フィオレンティア・ヴィオラ」が設立され、一旦別クラブとしてセリエC2からの再出発を果たす。2003年にはユニフォームと名前を買い戻し、再編成された。

2003-04シーズンにセリエBで6位となり、プレーオフを勝ち抜いて昇格に成功。後にカルチョ・スキャンダルでの罰則も経験するが、勝ち点剥奪を乗り越えてセリエA残留を果たした。

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