広島が最後にJリーグで優勝した2015シーズン、チームにとって非常に重要な一戦があった。それがセカンドステージの第3節、埼玉スタジアム2002で行われた浦和戦だ。
当時、Jリーグの舞台では2年間も浦和に勝てていなかった広島。この試合でも関根貴大にゴールを許し、1-0で前半を折り返すという展開だった。
しかし、「15分」の使い方が試合の結果を左右した。
チームのパフォーマンスに納得しなかった森保監督は、ハーフタイムに激怒。この時の叱咤は非常に激しいものだったと伝えられており、選手たちに檄を飛ばしたのだ。
しかしこれが奏功し選手たちは奮起する。後半に入ると67分に浅野拓磨が、そして84分に青山敏弘がそれぞれゴールし、浦和相手に逆転勝利を収めたのだった。
広島にとって浦和は毎シーズンのように選手を引き抜かれていることから因縁の相手であり、そうしたチームを相手に逆転勝利を収めることができたのは相当に大きかったはずだ。
そして、それを実現させたのが森保監督の叱咤であった。フラッグを掲げたサポーターの真意は分からないが、当時のような情熱やチームを変える演説を監督に期待したのではないだろうか。
浦和相手に黒星を喫した森保監督は試合後、サポーターに向け「勝利を届けることができずに本当に申し訳なく思うが、選手たちの頑張りが必ず今後、勝利につながることを信じていただいて、応援を続けていただきたいと思う」とコメント。
その上で、「『今日の応援をありがとうございました』と感謝の気持ちを伝えたい」と話している。あの横断幕を目にしたこともあり、やはり複雑な心境であったようだ。