不明瞭な本人の意思、周囲のオトナたちの“裏事情”

そもそも、本人は本当に移籍を望んでいるのだろうか。

バルセロナ行きを希望し、パリからの“脱出”を図っていると報じているのはレキップ紙。そのヴェッラッティとマテュイディがバルセロナ戦の2ndレグ前にナイトクラブで遊んでいたと書き立て、PSGと選手本人を怒らせたメディアである。

その影響で現在レキップ紙とPSGは険悪な関係となっていることを考えれば、レキップ紙がPSGに喧嘩を売ろうとしてヴェッラッティに移籍願望があると報じたのではないだろうかと推測される。

また、たびたび移籍を示唆するヴェッラッティの代理人ドナート・ディ・カンプリも曲者だ。ヴェッラッティの移籍を画策しているのは、高額の手数料目当てだろう。他の選手でやればいいじゃないかと言われるかもしれないが、彼の顧客で有力な選手はヴェッラッティのみ。

要するに、彼にとっての主な収入源はヴェッラッティだけなのだ。もちろん、有名顧客がヴェッラッティだけのパワーレスな代理人に移籍させるだけの力はなく、何回も契約延長でお茶を濁しているわけだが。

これだけうまくいかない理由に溢れていて、本人の移籍意思も不明瞭な以上、移籍が幸福な結果を招くとは思えない。

PSG側も現在は断固拒否の姿勢を示しているが、額によっては放出に傾くだろう。伸び悩んでいるという声もあるが、そもそも司令塔というのは経験値の高さが重視されるポジション。伸び悩んでいたとて環境のせいというよりは、前述のような怪我による部分が大きいだろう。24歳の彼がごく普通にコンダクターをこなしているだけでも凄いことであり、今の環境の良さを考えても環境を変えるべきとは言い難い。

チャンピオンズリーグでそのバルセロナ相手に大逆転敗退を喫し、周辺が騒がしくなるのは仕方のないことだろう。しかし、ここがPSGとヴェッラッティの「耐え時」なのではないだろうか。

あの忌まわしき大逆転敗退の際、誰より、熱い涙を流していた彼が当のバルセロナに移籍する。そんな滑稽な話があるだろうか。世代屈指の司令塔がすべき移籍ではないように感じるのは私だけではないはずだ。

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