6. 高額な移籍金
ヴェッラッティの推定市場価格は『Transfermarkt』によると4500万ユーロ(およそ59億円)。
しかし、基本的には推定市場価格より高値で取引されるし、ヴェッラッティを保有しているのは金満クラブのPSG。更に契約が4年も残っているという事情を考慮すると移籍金は最低でも7000万ユーロ(およそ91億円)、場合によっては1億ユーロ(およそ130億円)以上が見込まれる。
しかし、ここまで出してしまうと、ヴェッラッティの獲得だけでバルセロナの夏は幕を閉じるだろう。"MSN"の控えや右サイドバックの補強も必要な状態でやるべき補強ではないはずだ。
7. 移籍金を支払う価値はない
最後の理由は、そもそも100億円前後もの移籍金を支払う価値はないということ。
ヴェッラッティが独力で局面を解決できる選手ならば、前述のようなその年の予算をほぼ全て彼に費やす補強というのは確かにアリだ。しかし、ヴェッラッティの高評価はアンカーにチアゴ・モッタ、隣にブレーズ・マテュイディというそれぞれそのポジションで世界五指に入るレベルの選手とユニットを組んで得たもの。
もちろん、ヴェッラッティ自身も優秀だし、バルセロナにも強力な選手はいる。その中でヴェッラッティが機能する確率はないとは言わない(前述の通りその確率は高くないと踏んでいるが)。しかし、独力で試合を解決するわけではなく、あくまで周りを活かすことに特徴がある選手に100億円もの移籍金を提示するのはさすがに常軌を逸しているのではないだろうか。
あくまで与えられた役割を最大限にこなせる選手であって、様々なタスクをハイレベルにこなすというような例えばレアル・マドリーのルカ・モドリッチのような凄味はまだない。PSGのように完璧に役割と能力が一致するのは幸運と言える。だからこそ、その幸運を捨ててバルセロナに行くメリットは全くとは言わないまでもあまり感じられはしないのだ。