――Twitterアンケートでは一位になれませんでしたが、中村と倉田についてはどうでしょう?

ここのところ、日本代表の招集メンバーが発表される度に「中村憲剛・待望論」が巻き起こっているような気がしますが、"それもそのはず”のパフォーマンスを見せています。

90分フルパワーで戦うことは徐々に苦しそうになってきている印象ですが、それでもあの攻撃センスは陰りを見せません。川崎フロンターレは非常に魅力的なサッカーをしていますが、何だかんだで中村の存在が大きい。長短のパスでゲームを作り、機を見ては鋭いラストパスを通す。そして、「ここぞ」という場面では、あの高精度のミドルシュートもあります。守る側からすると一瞬でも気が抜けないでしょうし、試合に出ているだけで、相手チームにボディブローのようなダメージを与えられる選手ですよね。

――現在も日本代表にも入るべき選手だと?

だと思っています。今の日本代表は試合のリズムが停滞することが度々あるので、彼のような選手は今でも必要だなと。

もちろん、将来的なことを見据えると、若手が解決策になることが好ましいです。ですが、現状ではスペインで評価を上げている柴崎岳がどこまでやれるか…という案しか浮かびません。であれば、いつでも計算できる中村憲剛を選ぶのも一つかなと。ハリルホジッチにその構想はないのかもしれませんが…。

――今季の活躍でその日本代表に初招集された倉田については?

ハリルホジッチも語っていましたが、あの機動力には惹かれますね。味方を活かすだけではなく、味方に活かされることも可能な選手という表現が相応しいでしょうか。90分通してゴールチャンスを狙っていますし、ペナルティエリアに侵入するセンスも抜群です。

ただ、個人的に最も評価しているのは、"想い”が込もったパスにあります。

彼は、周囲とのパス交換からゴール前に入るプレーを得意としていますが、そのスイッチとなる彼のパスは全てにメッセージが入っているように感じるんですよ。「おれはこの後こうしたいから、こうしてくれ!」という意思が伝わるというか。

それをパスの強弱と動き出しで表現しているんだと思いますが、あのようなプレーを淡々とやってのける選手というのは、地味ながら本当にすごいと思います。どんなサッカーにも合いそうなタイプです。

ガンバ大阪でプロデビューを飾った後、ジェフユナイテッド千葉、セレッソ大阪に期限付き移籍。そして、またガンバ大阪に戻ってきたキャリアですが、今のジェフやセレッソにいても「面白かっただろうなぁ」と勝手に妄想しています。サポーターやファンの方々には「何言ってんねん!」って怒られそうですが…(笑)繰り返しになりますが、どんな戦術にも合いそうな選手ですね。

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