――他に気になった選手はいますか?

何人かいますよ。まずは、ドイツのフランクフルトへステップアップを果たした、サガン鳥栖の鎌田大地です。"疲れる戦術”を志向するチームに身を置きながらも創造性を失いませんでした。「天才パサー」という称号が良く付けられてきましたが、パスだけではなく、簡単にボールを失わないドリブルも魅力に溢れています。

――ドイツで活躍する可能性についてはどうでしょうか?

可能性はあると思います。欧州トップリーグにおいてもテクニックを備えた選手は少ないですし、あの決して物怖じしないメンタルも武器になるでしょう。

ただ、Jリーグでは気になりませんでしたが、フィジカルコンタクトの面は気掛かりですかね。トップ下で勝負するとなると、確実に厳しく「当たり」に来られます。そこに耐える、あるいはかわす能力をどこまで伸ばせるかが重要になってくるでしょう。

後は、得点力ですかね。決してシュート技術が低いわけではないと思いますが、Jリーグでは二桁得点を達成できていないことは事実ですし、技術以上にシュート意欲を向上させる必要があると思います。

先日、ポーランドで一年半戦った森岡亮太との話の中で「攻撃的ミッドフィルダーとして海外で活躍するには」みたいな話題が出たんですが、彼の口から発せられたのは「やっぱり、海外では点を取ってなんぼ!」でした。彼もJリーグではパサーとしての評価が高かった選手ですが、移籍してからそのプレースタイルは明らかに変わりました。「シュートを狙う回数は確実に増えました」と本人も語っていましたが、「そこが求められているな…」と感じたからだと思います。そして、それと同じような状況が鎌田にも訪れるんじゃないでしょうか。

極端な例えになりますが、やはり、欧州は「0得点20アシスト」よりも「10得点10アシスト」が評価される文化です。そういう世界で、鎌田自身が、何に気付かされ、何を変えていくのか。特にサガン鳥栖のサポーターの方々は、そういう視点で彼を追うのも面白いかもしれませんね。

――なるほど。話を戻しまして、鎌田以外でどうでしたか?

そうですね…何人かいるんですが…。

――二人に絞ってください(笑)

ん~、となると…ジュビロ磐田の中村俊輔と柏レイソルの中川寛斗ですかね。

――続いて、手短に総評を(笑)

急かしますね(笑)

まず、中村は、プレー面はもちろんのことですが、それ以外でもジュビロ磐田というチームに大きな影響を与えているなと。あれだけのキャリアを築いた選手が、チームをよくするためにはどうしたらいいかを考えてくれているんですから、周囲に強い刺激を与えていると思います。後半戦は、その薫陶を受けた選手たちが顔を出してくるかもしれません。

中川については、チームへの貢献度という面では、このポジションにおいてはトップクラスだと思います。得点は「3」と物足りなさはありますが、本当に献身的なプレーを続けました。あれだけ前線でチェイシングしてくれたら、チームメイトは彼に頭が上がらないでしょう。決定的な仕事は少ないかもしれませんが、総合的に評価すれば、候補に入るべき選手だと思います。


いよいよ、次回はラストの「FW部門」。果たして誰の名前が挙がるでしょうか。

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