編集部T(以下、――):今回はフォワード(FW)部門です。Twitterのアンケートでは、川崎フロンターレの阿部浩之が一位、続いて二位が柏レイソルのクリスティアーノ、三位が浦和レッズの興梠慎三という結果でした。どのような印象でしょうか?

カレン(以下、省略):ゴール数(17節までに12得点をあげて得点ランキング首位)を考えると、興梠の一位もあるかと思っていましたが、少々意外ですね。ただ、阿部やクリスティアーノはアシスト数でも数字を残しているんですよね。

――はい。阿部は8得点6アシスト。クリスティアーノが7得点6アシストでした。

そこも重視されたのかもしれませんね。

――個人的な評価としてはどうでしょうか?

この中では阿部のインパクトが一番強いですかね。シーズン開幕直後は目立っていませんでしたが、4月に入ってからエンジンが掛かり出し、気付いてみたらの大活躍でした。しかも、彼の場合は、「移籍初年度」+「FWへのコンバート」ですから。その点も評価するべきかと。

ガンバ大阪時代からシュートが上手い選手でしたが、これまでとは比較にならないペースでゴールを量産しています。そして、いずれのゴールも技術の高さが感じられますね。

――あそこまでゴール量産する秘訣はどこにあるんでしょう。

様々な理由があると思います。当然、「最前線で起用されることが多くなった」、「良質のアシストが各選手から送られてくる」といったチーム事情もそうでしょう。

ただ、個人的なスキルに目を移すとなると、「左右両足で正確に打てる」、「無駄に振り抜かない」、「スペースを見つけるのが上手い」の三点かと思います。

まず、「左右両足で正確に打てる」という長所は、ゴールを奪う上で非常に大きな武器になります。シュートに持ち込む際に利き足にボールを運ぶタイムロスがありませんし、パスの出し手も気を遣う必要がありません。なので、シュートチャンスは必然的に増えます。しかも、彼の場合は、それがワンタッチでのシュートだろうと、ミドルシュートだろうと、その精度が落ちません。この能力は、Jリーグにおいても最高峰ではないでしょうか。

そして、「無駄に振り抜かない」というポイントも重要ですね。「力まず、そして、ゴールキーパーのいないところに流し込む」という意識を心掛けているように感じます。彼がどのような意識を持っているのかは、本人に直接聞いてみたいところですが…。かの有名なジーコの「ゴールにパスをするイメージ」という表現も、彼にはよくわかるかもしれませんね。

最後に「スペースを見つけるのが上手い」ですが、これは川崎フロンターレに移籍してから顕著ですね。常にスペースを探していて、そして、それを察知する能力も高い印象を受けます。川崎というチームは、素早いパス&ムーブで崩すシーンが多いですが、スピード感が求められるプレーの中でもそれを実践している点も賞賛に値するはずです。後は、「ファーサイドで詰める」、「マーカーの死角を狙う」ということを続けている点も忘れてはならないですね。地味ではありますが、試合中にそれを終始続けることは簡単ではないでしょう。

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