その後のステップアップは?

期限付き移籍の都合上、「来夏までに活躍すること」が前提にはなるが、評価を高めた後の話題はステップアップ先だろう。

まず、オーソドックスなパターンとしては、下位クラブから国内のトップクラブへの出世がすぐに思い付くが、これはこのリーグにおいてはあまりおススメできないコースだ。

何故なら、前述のビッグ3の面々は、選手獲得後に度々「Bチーム行き」か「他クラブへのレンタル」を敢行するからである。下位クラブから引き抜かれた選手が、そのままレギュラーを奪うパターンがないわけではない。だが、事例は2~3年に一人現れるかどうか。このコースを選択すると、予想以上に険しい道を辿ることになる。

例えば、直近の事例として、今夏にフランスのリヨンに加入したフェルナンド・マルサウを見てみよう。

彼はベンフィカからの移籍ではあったが、それは保有元がベンフィカだっただけ。ポルトガルを代表する名門チームでは出場機会は得られず、2シーズンに渡って他クラブに貸し出された「レンタル組」だ。

彼の場合は、幸運なことに「レンタル組」から抜け出せたわけだが、これが当たり前と思ってしまってはバカを見る。最終的に「たらい回し」で終わる選手が多数派だ。

以上のことから、シンプルでありながらも、この王道はおススメできない。

では、目指したいサンプルケースは何か。

それはポルトガルからフランスを経由して、欧州トップリーグに挑戦する流れだ。

近年で言うと、今夏にインテルの一員となったブラジル人サイドバック、ダウベールのケースが代表例である。

ダウベール

彼は、(当時)ポルトガルリーグ二部のアカデミコ・デ・ヴィゼウでプロキャリアをスタートさせたが、すぐに頭角を現して、わずか2シーズンでギマランエスへ移籍。そこからの勢いは凄まじく、ギマランエス、ニース、インテルとシーズンを終える度にステップアップを繰り返した格好である。

一種のシンデレラストーリーではあるが、フランスでの活躍が欧州4大リーグへの近道であることは間違いなく、参考にするには打ってつけだろう。

「まだ出場すらしていないのに、さすがに気が早すぎる…」

ここまで読んで頂いた多くの方がそのような感想を抱くはずだ。

だが、これだけは一つ確信していることがある。中島翔哉には、大きな夢を乗せたくなるような魅力に溢れているということだ。

果たしてポルトガルの地でどのような光を放つか。そして、この一年でどのような変化を見せるか…。

稀代の才能に掛かる期待は大きい。

text by カレン