ダニエレ・デ・ロッシ
「いつも気づいていたよ。自分のキャリアは、プロとして『間違ったもの』であったと。
利他的主義によって、シャツやファンへの愛情によって選択された…と書かれているのを読むことがあるが、それは一部でしかないんだ。
それ以外はとても利己的な選択だった。なぜなら、僕はローマでプレーする必要があったからだよ。
身体的にも、感情的にも、このシャツを来てプレーすることで喜びを得てきた。
ここを離れようと考えていたある年、僕は涙を浮かべながらピッチに足を踏み入れた。周りを見回して考えたのは、『ああ、これがオリンピコでの最後の試合になるかもしれない』ということだった。
その瞬間、僕はローマなしでは生きていけないんだと理解した。
レアル・マドリー対バルセロナの試合でプレーできないこと、イングランドのもっとも美しいスタジアムを経験できないことよりも、僕を傷つけるものだったんだ。少なくとも、僕はそう見ていた。
33歳になって、僕は悟りの境地に達したよ。多くの勝利を得られなかった、世界を旅しなかったことを、穏やかに見られるようになった」
(2006年にはワールドカップを制覇したね?)
「逆説的に言えば、僕は22歳でワールドカップを獲ったということでもあるね。それが意味するところは、素晴らしい将来の予測、そして周りから寄せられる大きな期待だ。
まずはU-21欧州選手権、オリンピックの銅メダル、そして次なるワールドカップの勝利だ。
おそらく、それは実際に問題だった。僕は勝ち続けられなかった。
あの時、僕の電話は鳴り続けていたよ。毎日、新しいクラブが僕を欲しがった。彼らは言い続けた。『コーチが君を欲しがっている、対話してくれ』と。その会長は白紙の小切手も準備していた。
それは素晴らしいことだった。しかし結局のところ、僕は常にローマを去ることは非常に辛いことだと気づいていた。
おそらく、行こうと思えば、チャンピオンズリーグ決勝でプレーすることは出来た。レアル・マドリー対バルセロナでもプレー出来た。
僕はいつもボカ・ジュニオルスでプレーしたいと言っていた。ボンボネーラでリーベル・プレートとのスーペルクラシコをやりたかった。あれは世界で最も美しいスタジアムだよ」
【Playback!】デ・ロッシ、その愛と情熱が伝わるインタビュー
Text by 編集部
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