元日本代表の大型FW大滝麻未の加入で“縦ポン”が有効策に!

シーガルズは、ボールの位置に応じたゾーン守備のラインとブロックを作るオーソドックスな<4-4-2>の布陣を敷いて戦う。

「当たり前のことを当たり前に」(神野監督)、サッカーという競技自体の原理原則である球際の強さや1対1で戦い続けられるタフなチームだ。

ただ、攻撃へ切り替わった際はDFとMFの2ライン=8人の選手がボールより後ろにいるために前へのパスコースに乏しく、2トップにロングボールを当てることが多い。それでも、そんなシンプルな“縦ポン”が有効策となっているのは、今季フランスのパリFCから新加入した元日本代表FW大滝麻未(上記写真中央)の存在があるからだ。

2週間前の初戦・ハリマ戦での左足ボレーによる華麗な一発は、クロスを下がりながら豪快に叩き込んだゴラッソ。当日はハリマ側から取材していた筆者は思わず目を擦った。「男子の選手か?」と。

翌週も試合終了間際にヘディングで決勝点を奪った大滝。172cmという長身も含めて、その姿はまるで外国籍FWのような迫力を醸し出していた。

「1度自分でボールを収めてから攻撃を作って、そこからゴール前へ入っていくのが自分のプレースタイル」と、彼女は客観的に自身の特徴を語る。最前線でゲームメイクも担えるFWは、現在のシーガルズが求めていたタイプのストライカーにして、1部昇格を狙う柱となっている。

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ところが、スフィーダ世田谷FC戦ではその「強み」を生かすことが出来なかったのだ。それはなぜなのか?