「個の力」が組織的パスサッカーの敵になる
今季から『プレナスなでしこリーグ2部』に昇格してきたバニーズ京都SC。
敵地で迎えた開幕戦では、昨季なでしこリーグ1部を戦っていたちふれASエルフェン埼玉を破った。金星で幸先の良いスタートを切ったのだ。
しかしホーム開幕戦では、同じく昨季1部の伊賀フットボールクラブくノ一に0-3とスコア以上の完敗。その後のカップ戦でも1勝2敗と負け越し、リーグ再開後も1分1敗だ。特にリーグでもカップでもホームゲームで未勝利なのが痛い。
この日迎えた相手は、ニッパツ横浜FCシーガルズ。
もともとは1976年に「横須賀シーガルズFC」として設立され、OGに大野忍や近賀ゆかり、矢野喬子といったドイツW杯優勝メンバーを3人も輩出した小中学年代の育成に長けたクラブだった。2013年2月にJリーグの横浜FCを運営する一般社団法人横浜FCスポーツクラブと業務提携を締結し、現在に至っている。
バニーズはそんなシーガルズと昨年10月の『第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会』の1回戦で戦っていた。その際は延長の末に2-1と勝利している。
大雨の影響でピッチがプールのような状態だったとはいえ、格上相手に得点を奪えることは証明していた。続く皇后杯2回戦でも、なでしこリーグ1部のAC長野パルセイロレディースに2-3と健闘している。
しかし、昨季2部5位で終えたシーガルズには、長くフランスでプレーして来た元日本代表FW大滝麻未(上記写真中央)が今季から加入している。
大滝は2015年に一度は現役を引退し、国際サッカー連盟が運営するスポーツマネジメント系の大学院『FIFAマスター』に入学・卒業しているが、昨年の夏からフランスで現役復帰。172cmの長身と海外経験で培ったコンタクトプレーの強さを武器に、チームを牽引している。
そんな大滝の存在が、ホーム初勝利を狙うバニーズの前に大きく立ちはだかったのだ。