激しいプレッシングに、ポゼッションはどう抗えばいいのか?

試合は立ち上がりから「ポゼッションのバニーズVSプレッシングのシーガルズ」の構図が鮮明に出る試合となった。とりわけ、バニーズがゴールキックからもパスを繋ぐため、シーガルズはそれを狙い続けていた。

この日、最前線から獲物を狙うようにプレスをかけ続けた大滝は言った。

「自分達の2トップのところで奪えなくても、ボランチのところで奪えるようにプレスをかけたり、挟み込んでボールを奪うという狙いが周囲と上手く連携・連動できていました」と。まさにシーガルズの狙い通りに試合が運んだ。

連動したプレスから中盤でボールを奪ったシーガルズは、そのまま素早い攻守の切り替えからハーフカウンターを発動する。大滝と高橋美夕紀の2トップが抜け出し、クロスバー直撃のシュートを放ったかと思えば、オフサイドにかかりながらもゴールネットを揺らす。均衡がやぶれるのは時間の問題だった。

そして27分、高い位置でボールを奪ったシーガルズが素早い攻撃。ボールを足下へ収めようとした大滝が、「相手の守備が逆サイドに気を取られていたのが見えたので」と絶妙のスルーを見せた。

「最近どんどん連携が良くなっています」という2トップを組む高橋に繋ぎ、GKと1対1の状態を演出した。それを冷静に流し込んだ高橋。シーガルズが先制に成功する。

その後もこの日1人で7本ものシュートを放った高橋。クロスバー直撃の思い切りの良いミドルシュートを披露するなど存在感を示し続けていた。

対するバニーズは、MFの松田望や林咲希が最終ラインまで下がってボールを繋ぐ。相手の激しいプレスの中でも、けっしてロングボールを蹴るようなことはしなかった。

プレスを掻い潜った時はゴール前まで持ち運べるものの、決定機と言えるチャンスは作れず。シーガルズの1点リードで前半を折り返した。