2位 メキシコ(ABA ホーム)
フットボールキット史に燦然と輝くワイルドデザインモデル。15世紀、アステカ文明下で作られたとされる「太陽の暦石」をモチーフとしている。
中央で睨みを効かせている「太陽神トナティウ」は好戦的な戦神の側面も併せ持つと言われる。エンブレムの鷲は「サボテンが茂る湖の中の島の鷲が止まった場所に都を作れ」という神のお告げに従って帝都ティノチティトラン(現在のメキシコシティ)を造ったという神話に由来する。メキシコという国名自体も、アステカ人の自称「メシカ(メシトリ神を崇める者)」から来ており、アステカ帝国の正当継承者としての自負を表している。
中世からのメキシコの歴史と誇りを込めたこのモデルは、ゴールドカップ1996で投入され、マイナーチェンジを繰り返しながら、ワールドカップ本大会でも着用された。
よほど愛されたデザインであったのだろう。94年までサーフブランド調の派手なユニフォームを好んで着用していたあのカンポスも、この大会ではフィールドプレーヤーと反対色の同デザインのモデルを着用していたくらいである。