「金満」から育成型クラブへ、衝撃の転身

ドミトリー・リボロフレフは1966年生まれの51歳。『Forbes』の調査によれば、純資産は73億ドル(およそ8200億円)であるという。

元々は医師であったが、磁気を使った代替治療のビジネスで一財を築き、その資産を使って投資会社を設立した。

さらにその会社を販売した利益でウラルカリ(ロシアの肥料会社)を買い、世界的な企業へと成長させた人物である。

彼がサッカー界に進出したのは2011年。2部に降格していたモナコの株式66%を買い取り、多くの投資を行った。

2013年にはラダメル・ファルカオやハメス・ロドリゲス、ジョアン・モウティーニョなどを一挙獲得。この年だけで1億5000万ユーロ(およそ196.3億円)以上をつぎ込んだ。

通常そのような資金力に優れたクラブは「買う側」に回るもの。

しかしリボロフレフは2014年にその舵を大きく切る。そのきっかけは、「離婚」ではないかと言われている。

彼と元妻のエレナは袂を分かつことに決めたが、その慰謝料は当初45億ドル(およそ5050億円)以上になると伝えられた。これは離婚裁判の歴史上最も大きな額だ。

最終的にはそれよりもかなり低い数字で和解することになったが、もしリボロフレフがこれで方針を変えたとしても無理はない。モナコは多くの選手を放出し、育成機関に資金を注入。「育てて売る」クラブへと変貌を遂げていく。

その一環として買われたのがセルクル・ブルッヘだ。