優勝を狙えるチームだった
今からちょうど20年前、小野伸二、稲本潤一、高原直泰、本山雅志、遠藤保仁、小笠原満男らを擁し、1999年ワールドユースで準優勝を成し遂げたメンバーは“黄金世代”と呼ばれている。
彼らはその後のシドニー五輪や2002年ワールドカップでの躍進、欧州リーグへの挑戦といった新しい時代を築き上げたが、今年のU-20世代はそんな20年前の選手たちを凌駕するほどの陣容である。
主将だった橋岡大樹の負傷は残念だが、前述の久保、大迫、安部は既にJ1で“違い”を見せている。
昨夏レスター移籍を伝えられた田川亨介、高校在学中にセレッソ大阪でデビューした西川潤など、過去のどの世代と比べても遜色なく、全員が揃えば大会で十分に上位を狙える選手たちなのだ。
真剣勝負の国際大会で得た勝利の経験は何物にも代え難い。もし優勝となれば王者としてのメンタリティを得ることとなり、それはA代表にも間違いなく繋がる。
一方コパ・アメリカはどうだろうか。
もちろん苦手な南米勢と戦えることは大きな財産である。しかし未だ陣容が不透明ななか若い3人の出番は保証されないうえ、ぶっつけ本番のチームで勝ち進めというのはかなり難易度が高い。
つまり今回の“振り分け”の結果、U-20、コパ・アメリカに臨むチームの双方が中途半端になり、ともに早期敗退してしまう可能性が理論上、高まったと言わざるを得ないのである。
ならば3人をU-20に専念させ、本気で優勝を狙うべきだったのではないか。大迫に関していえば、AFCU-19選手権で守護神だった谷晃生(ガンバ大阪)がケガで外れたことを考えれば尚更である。