サポーターも楽しんだJFL1年目のシーズン

初のJFLを戦ったのは、サポーターも同様だった。昨年までは地域リーグに所属していたため、ホーム戦はリーグの7試合のみに限られ、アウェイ戦も東海圏内のみだったのが、「今年は初めて行く場所が多くなったことで楽しみが増えた」そうだ。

また、アウェイでは僅か3勝に終わったものの、ラインメール青森や流経大ドラゴンズ龍ヶ崎(茨城県)、松江シティFC(島根県)という距離的にも遠い場所で勝利を重ねられたこともサポーターにとっては良い思い出となったようだ。

そして、地域リーグはもちろん、毎日試合が続く『全国社会人サッカー選手権』や『全国地域サッカーチャンピオンズリーグ』という超短期決戦トーナメントではなく、基本的に1週間に1試合を消化していく全30試合制のリーグ戦は、選手達のコンディション調整やチーム力の積み上げ、戦術的修正を促すためにも良好だったようだ。

サポーターにとっても、「負けたら終わり」の代表戦のような緊張感ではなく、年間通した好不調の波すらも楽しみにできる純粋なクラブサッカーのシーズンが楽しめたようだ。

最終節・FC大阪戦では、現役引退を含む今季限りでチームを退団する選手が多く起用されたが、それでも今年の鈴鹿が体現して来たサッカーはしっかりと体現されていた。ミラ監督が「もう1人の自分のような存在」と信頼を寄せる主将MF藤田浩平の存在も大きいが、ミラ監督の指導力とその“深さ”も感じられた。

今季のミラ監督は、「指導者」としての顔が7割から8割を占めていたように感じる。それでもロングボールを効果的に導入したり、失点減に務めるなど、課題を修正してチームを引き上げる手腕も持ち合わせている。

ラスト10試合の結果や対戦相手によって戦い方を微修正する姿から見ても、「指揮官」としてリアリスティックな決断力と戦術立案力も確かなモノを感じさせる。

鈴鹿アンリミテッドFCはJFLのチームであるだけに、オフには選手の入れ替えも多くあるだろう。しかし、再びチームを作り直さなければいけなくなったとしても、「ボールを大事にするサッカー」のベースを落とし込む作業は今年よりもスムーズに進むだろう。そのうえで、選手たちの個性や特徴を活かし、JFLの特徴も理解した2年目のミラ監督が「指揮官」として采配を振る。

リーグ得点王に輝いたエフライン・リンタロウは、「ミラは話しやすいし、優しい」と言いながら、「もっと怒っても良いかも」と言葉を残した。来季は「指揮官」ミラの姿も楽しみだ!

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