家族でのテレビ時間に加えていたエッセンスは、ずばり「価値観の共有」でした。

価値観の共有とは、「何が正しいことで何が間違っていることなのか」、「何が面白いことで何が面白くないことなのか」、「その行動が気持ちの良い行動なのか、そうでないのか」を家族や兄弟でシェアすることです。

テレビというのは問題提議ができる場所として打ってつけだと今でも思います。

永井家では、父はお酒を飲みながらテレビを見て気持ちよさそうに話していました。こういうお父さんは日本中にいそうですが、父が少しだけ変わっていたのは、自然と家族を巻き込む能力に長けていた点です(笑)

「今でも兄弟の仲が良いのは幼少期からの小さな積み重ね」

例えば、悪いニュースを見ているとしましょう。父はそのニュースを見て私たちに聞きます。

「このニュースで嫌な思いをしている人は誰?」、「その人の気持ちはどう?」、「その人に家族はどう思っていると思う」と会話を広げていくのです。

また、「社会にはルールがあり、それを守らないと逮捕されたり、悲しい思いをする人が生まれてしまう」ということなどもテレビをきっかけに伝えてくれました。