■ロドリゲス新監督の戦術とは?

名門再建の切り札として招聘されたロドリゲス新監督は、2017シーズンより指揮を執った徳島で確かな手腕を発揮し、昨季はJ2優勝&J1昇格を果たすなど成績面でも特筆すべき結果を残した。

スペイン人指揮官の戦術をまとめると、以下のようになる。

特徴①最終ラインからのビルドアップの徹底
特徴②ピッチをワイドに使ったサイドアタック
特徴③ボールロスト後の激しいプレス

まず大きな特徴としては、「最終ラインからのビルドアップ」をとにかく徹底することである。

センターバックはもちろん、ゴールキーパーも高い位置を取ってパス回しに参加するのが約束事で、徳島では足元の技術に優れた上福元直人が重用されていた。浦和にはフィールドプレーヤー並みのスキルを誇る西川がおり、基本コンセプトの実現は容易だろう。

最終ライン(およびボランチ)から丁寧にボールを繋いだ後はサイドに展開し、サイドハーフとサイドバックが連携を取りながら崩していくのが攻撃時のスタイルとなる。サイドアタックの鍵を握るアタッカーは多士済々のタレントが揃っており、最適な組み合わせを模索している段階である。

そして、敵陣深くでボールを失った際は、複数人が素早くボールホルダーにチェックし、連動したプレスでボールを奪い返すのが基本だ。

ただ、リーグ屈指のポゼッション力を誇る 横浜F・マリノス(第4節/0-3で敗戦)、川崎フロンターレ(第6節/0-5で敗戦)との試合ではプレスが思うように掛けられず、コンパクトな守備ブロックを構築して対抗しようとしたものの、相手の攻撃を止められずに完敗を喫している。

J1はポゼッションを高めてくるチームが多いため、プレスがハマらない時の対処法を確立できれば、失点減の実現ひいては成績の向上を実現できるだろう。