本人は「私はネスタの13番をつけていたがトレーニングではなく毎日パーティをしていた。サッカーを辞めることも考えたがガンが私の命を救ってくれた。神に感謝する」と『Gazzetta dello sport』に語っている。
ガン治療中でありながら当時のルーチンはひどいものだったという。朝はテレビを見ながら化学療法(彼のお気に入りの番組はハウス、ヒュー・ローリーのシリーズ)、午後は休憩、夜はクラブで朝帰り…。ガン治療の副作用で味覚が効かないためにほとんど食べず、ほとんど寝ないこともあったという。
ある日、恐怖で目が覚めたアチェルビは反省をする。「突然、私は両親に与えたすべての懸念、すべての無駄な機会、そしてクラブで過ごした夜について考え始めました。その朝、私は自分に迫る影を恐れていました。そこで私はセラピストに会い始めました、助けを求めていました」
ガンを克服してからは水、野菜、果物、ブレザオラ(生ハムの一種)、米に食事を絞り、アルコールをやめたという。サッスオーロでは一転、「鉄人」となり2015年10月18日から2019年1月20日までセリエAの連続出場記録を149に伸ばした(サネッティにはかなわず)。
190cm以上の体格で空中戦で圧倒的な強さを発揮し、それでいて足元の技術も持ち合わせボールを持ち出す、パスを出す、攻撃参加も積極的に行う。ゴール正面からであれば、弾丸系のフリーキックでゴールを狙うこともある。
レスターからも獲得のオファーがあったがこれを断り、2019年にラツィオへ移籍した。イングランドに行かなかった理由は、治療も含めてサッスオーロで長く過ごすうちに木曜日の朝はガン患者や障がい者の子供と一緒に過ごすことにしたからだという。