2022年の冬に行われる予定となっているカタールW杯。中東の環境を考慮して11月から12月という珍しいスケジュールとなった。

しかしこのところ、再びカタールでの人権状況に対しての批判がサッカー界内部から相次いでおり、W杯予選でノルウェー代表チームが抗議活動を行うという場面もあった。

3月のW杯予選において、ノルウェーは試合前のウォーミングアップで「Human rights, on and off the pitch(人権、ピッチの中でも外でも)」と描かれたTシャツを着用した。

これはカタールで働いている出稼ぎ移民労働者に対しての人権侵害に抗議するものだと伝えられた。

カタールでは多くのスタジアムやホテルなどのインフラを建設するために多くの移民労働者を受け入れており、その多くはインドやバングラデシュなど東南アジアからの出稼ぎである。

しかしその労働環境は極めて過酷なものであると伝えられており、2010年からの10年間で、インド、バングラデシュ、ネパール、スリランカ、そしてパキスタンの6カ国の労働者のみで6500人が死亡していると伝えられている。

さらにその大半が「自然死」として処理されており、死亡の原因すらも十分に調査されていないとも指摘されている。

ノルウェー代表はチームをあげてこれらの人権侵害に抗議し、FIFAとカタールに圧力をかける行動を行ったのだ。その後ドイツやオランダ、デンマークなどもそれに追随している。

また『VG』の調査によればノルウェー人の55%がカタールW杯をボイコットすべきであると考えているという結果も出ているそう。

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『AFP』によれば、現在ノルウェーサッカー協会ではカタールW杯をボイコットするかどうかを話し合っており、日曜日に行われる臨時会議での投票によってそれを決定するという。

もしこれでボイコットすることに賛成票が多数になった場合、カタールW杯を棄権する最初の国になる可能性があるとのこと。

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