現在イングランド・プレミアリーグのブライトンに移籍する可能性が高くなっているという三笘薫。そのままベルギーへとローンされるという。
イングランドでは外国人選手の獲得に一定の基準を設けており、それが満たされなければ労働許可証が与えられない。
その条件を今回おさらいしてみよう。
なお労働許可証の取得条件はポイント制となっている。申請された日からさかのぼって12ヶ月を参照期間とし、(シニア選手においては)6つの条件テーブルでポイントが積算される。それが15ポイントに達した場合、労働許可証が自動的に付与される。
1:代表チームでの出場数
通常の選手については、まず代表チームでの試合で一定の割合出場していることが条件となる。代表チームのFIFAランキングによってその基準は異なるため、今回は日本が該当すると思われるFIFAランキング21~30位の条件を見る。
出場率60%以上:自動的に労働許可証付与
出場率50~59%:10ポイント付与
出場率40~49%:9ポイント付与
出場率30~39%:8ポイント付与
出場率20~29%:7ポイント付与
出場率19%以下:ポイントなし
2:国内リーグでの出場時間
各選手が所属しているリーグでの出場時間割合でポイントが付与される。リーグにはBand1~6のランキングが設定されており、Jリーグはその中で最も低いBand6にあたる。
90%以上の時間でプレー:2ポイント付与
80~89%の時間でプレー:1ポイント付与
それ以下:ポイントなし
3:クラブの大陸選手権での出場時間
いわゆるチャンピオンズリーグなどクラブコンペティションでの大陸選手権における出場時間もポイントに加算される。なおこちらもレベルによってBand1~3が設定されており、AFCチャンピオンズリーグは最も低いBand3となる。
90%以上の時間でプレー:2ポイント付与
80~89%の時間でプレー:1ポイント付与
それ以下:ポイントなし
4:所属クラブのリーグでの順位
加入する前のクラブが国内リーグでどのような順位にいたかという点もポイント付与の対象となる。同じくリーグにはBand1~6のランキングが設定されており、Jリーグはその中で最も低いBand6にあたる。
優勝:1ポイント
それ以下:ポイントなし
5:所属クラブの大陸選手権における順位
加入する前のクラブが大陸選手権においてどのような順位だったかという点が考慮される。レベルによってBand1~3が設定されており、AFCチャンピオンズリーグは最も低いBand3となる。
決勝進出:2ポイント付与
準決勝進出:1ポイント付与
それ以下:ポイントなし
6:試合のメンバーに入っていたかどうか
加入する前のクラブで試合のメンバーに入っていたかどうか。もちろんリーグにはBand1~6のランキングが設定されており、Jリーグはその中で最も低いBand6にあたる。
メンバー入りしている:2ポイント
メンバー入りしていない:0ポイント
なおテーブルは7~11も存在するが、これはユースの選手を対象としたものとなっている。
もしここまでの6テーブルにおいて15ポイントを超えなかった、かつ10~14ポイントであった場合、判定は客観的評価、主観的評価の2つに分かれた「例外パネル」に移行することができる。そこでは申請する側が「選手の能力に問題はないが、15ポイントを超えない合理的な理由がある」ということを証明しなければならない。
なおこの例外パネルは今シーズンの冬のマーケットを最後に廃止されるとのことで、来年夏以降は使うことができなくなる。
この古い例外パネルシステムの内容については昨年末に改定されたルールに書かれていないが、かつてまとめた井手口陽介の記事と同じではないかと思われる。
ブレグジットが行われて以来、より外国人選手の獲得には大きなハードルが科せられることになったプレミアリーグ。
しかしその一方でユース年代の獲得についてのルールが独自に作られ、さらに南米についてはコンペティションのランクが引き上げられたため獲得が容易になっている。
ダメージを受けているのはこれまでプレミアリーグに多くの選手を売ってきたフランス、ポルトガル、オランダなどであるそうだ。
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