また、筑波大入学時に当時3学年上の三笘薫に衝撃を受けたというDF長岡道(筑波大3年)は、来年を見越していち早くプロのスカウトにアピールするために参加したという。

長岡道

「来季は関東学生リーグで(トップチームの)スタメンを勝ち取って、プロになるためのきっかけを作りたい」

一方、トライアウト最年長となった社会人選手もこの機会にかけていた。兵庫県社会人1部リーグを戦うFC猛獣王FW前川将志(30歳)。普段は自身が経営する焼肉店「焼肉ノ志志」で働く彼も、鋭いドリブルと軽快な動き出しを見せ、大学生相手にもアジリティで後れを取らず。

前川選手(左)
前川将志

「最後のチャンスだと思った。サッカー選手になりたい夢がある」

スカウトたちは彼ら敢闘する選手たちに熱視線を送り続けていた。J3鹿児島ユナイテッドFCの永畑祐樹スカウトは「ここに来ている選手たちのハングリーさが伝わってきました。選手も学生リーグや元プロの選手もいて、今回のトライアウトに満足しています」と話す。

昨季までFC琉球監督を務め、2022年シーズンからJFLヴィアティン三重を指揮する樋口靖洋監督は「中々見ることができない選手たちが集まっているので、埋もれた原石を探す機会になるのかなと。うまくピックアップして僕らのチームで次のステップに行ってもらえればいいですね」と期待を口にした。

2日間に渡るトライアウトは、平均して高い水準だった。Jリーグ公式戦経験者らも参加し、チャンスを手にするために各々が持ち味を出そうと奮闘していた。また、即席チームでも選手たちはすぐに仲間の名前を覚え、簡単な約束事や連係の確認を怠らず、プレー以外の規律や振る舞いも素晴らしいものだった。

Jリーグクラブが複数参加するアマチュア向けのトライアウトは近年では稀である。進路未定の選手たちにとっても、スカウト陣にとっても貴重な機会となった。今後も当トライアウトは第2回、3回と継続して行われる予定。全力で戦った選手たちに吉報が届くことを願うばかりだ。

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