また、『Al Jazeera』では、その壮絶な生い立ちを伝えている。

彼はモロッコからオランダに移住した両親のもと9人兄弟の末っ子として生まれた。家庭は貧しかったが、ジヤシュが10歳だった2003年には父親が多発性硬化症で死去。

母親は家族手当や失業手当で一家を支えるために奮闘したが、兄弟2人が窃盗と暴行で服役するはめに。

ジヤシュは一家の希望の星だったが、彼も父の死で精神的に荒んでしまう。勉学で躓くと、12歳でサッカーも止めてしまい、ドラッグやアルコールにおぼれて、人生は破滅寸前に陥る。

だが、当時のコーチのおかげで、薬物中毒から抜け出すことができた。出所した兄も父親代わりになり、サッカーを再開するよう彼にアドバイス。

それでサッカー選手を再び目指すようになるも、その後、薬物やアルコールなどに再び手を出して問題児に逆戻り。2010年時点では6件もの裁判沙汰を抱えるようになっていたが、そこでも元コーチにおかげで復活。

2016年に名門アヤックスと1100万ユーロ(15億円)の契約を結び、家族を貧困から救い出すことができた。

そんなジヤシュは母親に感謝しており、「本物のヒーローは自分ではなく母。彼女は自分にとって全て。母がいなければ、いまの自分はない」と話している。

ポルトガルとの準々決勝では、モロッコの7番に注目だ。

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ちなみに、彼は日本語での表記に揺らぎがあるが、本人の名前発音がこちら。

ツィエクではなく、「ジヤシュ」である。

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