7番:ハキム・ジヤシュ

市場価値:1700万ユーロ(24億円)

チェルシーに所属する29歳のMF。

卓越した左足を武器とするテクニシャンだ。

オランダ生まれでユース世代ではオランダ代表だったが、21歳だった2015年にモロッコ代表にデビュー。代表戦での報酬は一切受け取らず、その全てをモロッコのチームスタッフや貧しい家庭に寄付しているそう。

ヴァヒド・ハリルホジッチ監督との関係が崩壊したことで一時は代表引退を宣言したが、同監督の解任を受けて今年9月にチームに復帰した。

9人兄弟の末っ子として生まれた家庭は貧しく、ジヤシュが10歳だった2003年には父親が多発性硬化症で死去。

兄弟2人が窃盗と暴行で服役したほか、ジヤシュも父の死で精神的に荒んでしまう。勉学で躓くと、12歳でサッカーも止め、ドラッグやアルコールにおぼれて、人生は破滅寸前に陥る。

だが、当時のコーチのおかげで、薬物中毒から脱出。一時は薬物やアルコールなどに再び手を出して問題児に逆戻りするも、2016年に名門アヤックスと1100万ユーロ(15億円)の契約を結び、家族を貧困から救い出すことができた。

そんなジヤシュは母親に感謝しており、「本物のヒーローは自分ではなく母。彼女は自分にとって全て。母がいなければ、いまの自分はない」と話している。

ちなみに、彼は日本語での表記に揺らぎがあるが、本人の名前発音はこうだ。

ツィエクではなく、「ジヤシュ」である。