ベスト8進出国で比較する「ターンオーバー」の是々非々

今大会は欧州サッカーのシーズン中に開催される異例の大会で、なおかつスケジュールも過密さが増していた。それに伴い、ベスト8進出を考えるならばGSで先発メンバーを入れ替えて疲労蓄積を回避する「ターンオーバー」の必要性が各メディアで展開された。

日本の森保監督も中3日で挑んだ今大会の第2戦、初戦でドイツ相手に大金星を奪った先発メンバーを5人入れ替えた。

その結果、コスタリカ代表の堅守を崩せずに0-1と完封負けを喫した采配が、「FIFAランクで10個下回る格下相手に主力を投入し、2連勝で決勝T進出を決めるべきだった」など、疑問と波紋を呼んだ。W杯出場を勝ちとったアジア最終予選において、「固定メンバー」を批判されていたにも関わらずだ。

そこで、ベスト8進出国の先発メンバー変更人数の推移を集計した。

注目すべきは開幕2連勝したのがフランス代表とブラジル代表、ポルトガル代表の3チームのみだったことだ。彼らは3戦目で大幅にターンオーバーを採用して敗れ、今大会は1994年のアメリカ大会以降、7大会ぶりにGS3連勝のチームがなかった。

それでも、この3カ国は全てGSを首位通過。無事にベスト8へも進出したが、ブラジルとポルトガルはそこで伏兵の前に力尽きた。逆に彼らを下してベスト4へ進出したクロアチアとモロッコ代表は準決勝まで先発を2人以上入れ替えることはなかった。

よって、ターンオーバーに成功したのはフランスだけと捉えるべきだろう。日本は大会前から怪我人が続出したこともあり、必要に迫られて採用したに過ぎない。