話題を呼んだ本田圭佑の解説

カタールW杯で日本代表の躍進とともに話題を呼んだのが、本田圭佑氏の解説だ。

かつてエースとして日本代表をけん引し、W杯では3大会連続でゴールを記録するなど大一番で抜群の勝負強さを誇った本田氏。

2022年3月に「ABEMA FIFA ワールドカップ 2022 プロジェクト」のGM(ゼネラルマネージャー)に就任することが発表されると、同局が放送した日本代表戦の計4試合と準決勝(アルゼンチンvsクロアチア)および決勝で解説を担当した。

一部選手を“さん”づけで呼び、情熱と冷静が同居した語り口と相手の弱点をズバッと指摘する率直な物言い、自国の選手に寄り添い鼓舞するのが伝わるコメント、そして『ナナフゥン!?』『ペリシッチ嘘つくなや!』といったキラーワードの数々で視聴者を楽しませた。

まさに新感覚の解説で、『本田が解説だから(地上波ではなく)ABEMAで観よう』と思った方も多かったはずだ。事実、同局が発表した「総合視聴ランキング」のトップ5のうち、日本代表戦が4試合を占めている。

このように好評を博したが、当の本人は自身のYouTubeチャンネルにおけるライブ配信で、今後の解説業継続について否定的なスタンスを示している。再登板の可能性はゼロではないものの、現時点ではかなり低いと言わざるを得ないだろう。

とはいえ、全64試合のリアルタイムおよび見逃し配信を実施し、W杯の盛り上げに多大な貢献をしたABEMAと自由な解説で時の人となった本田氏のタッグは、日本代表戦の注目度アップを大いに実現した。

ABEMAが2026年大会でも生中継を実施するのか、あるいは本大会だけではなく大陸予選や親善試合、そのほか国際大会も放送していくのか。同局の方針が国民のサッカー熱に作用する。

そして、再び本田氏が解説を務めることがあれば、サッカーファンはもちろん、普段サッカーを観ない層にもアピールできるに違いない。