かつてJリーグでプレーした元イングランド代表FWギャリー・リネカー氏。BBCのサッカー解説で看板を張ってきた同氏のツイートが現地で話題になっている。

英政府は難民増加に対処する政策を発表し、スエラ・ブレイバマン内務大臣は、不法入国した人々の亡命申請を禁止する計画について説明。これに野党議員たちから強い異議が唱えられるなか、リネカー氏も「1930年代のドイツが使ったのと変わらない言葉で、最も弱い立場の人々に向けられた計り知れないほど残酷な政策だ」とツイートした。

すると、閣僚や保守党議員らはこれに反発。ブレイバマン内相は、ナチスのホロコーストとの比較は「怠惰で役に立たない」としたうえで、夫がユダヤ人であるため、自分の家族は「ホロコーストの影響を非常に痛感している」と語った。

その後、リネカー氏は「今朝、言論の自由を主張する人間たちが、意見の違う人間に沈黙を要求しているのを見るのは素晴らしいこと。今朝ほど愛とサポートを感じたことはない(イングランドW杯のゴールは別として)。皆さん一人ひとりに感謝したい。とても意味のあることだ。私はこれからも声をあげられない人たちのために声をあげ続ける」とツイート。

すると、内相は「失望した。我々の合法的で、均整のとれた、思いやりのある措置を1930年代のドイツと比較することは有益ではない」と批判し、首相報道官も「英国の勤勉な(受信料)支払者によって給与が賄われている人物が、そのようなレトリックを使って不法移民について抱く正当な懸念を否定しているように見えるのは非常に残念。(それ以上は)BBC次第だ」とコメントした。

リネカー氏はこれまでも移民の権利を主張してきたほか、自宅で難民を受け入れたこともある。彼は2020-21年に135万ポンド(2億円)を稼ぐBBCで最も高収入のスターであるが、歴代の保守党政権を批判してきた。

その後、BBCはリネカーを看板番組「Match of the Day」から一時降板させると発表。BBC側は「最近のSNS上での活動は、我々のガイドラインに違反している。(彼は)政党の政治的問題や政治的論争に味方するのを控えるべき」と説明。SNSの使用について合意できるまでは出演を差し止めるとした。

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ただ、リネカーとともに「Match of the Day」に出演してきたイアン・ライトやアラン・シアラーらは抗議の出演ボイコットを宣言。BBCは代役となる司会者探しに苦労しており、司会者なしで番組を放送する可能性がある。

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