――個とチームを融合させたような戦い方ですか。

そうですね。

もちろん高校サッカーでも山田の選手たちは、個の能力が高いのかもしれないですけど、プロになってくると変わってきます。

(町田は)個と組織の融合の仕方はすごいと感じます。

――町田と対戦して分かった黒田監督の凄さはありましたか。

本当に勝つ集団を作り上げる。

最終的にどうなるか分からないですけど、蓋を開けてみたら首位(4月21日時点)。

就任されたときは周りから何か言われたのかもしれないですけど、結果で周りを黙らせる。

勝つチームの集団作りはすごいと思いましたね。

――勝てる集団を短いキャンプ期間中に作り上げたマネジメント力はすごいですね。

長年高校生を指導していた中で、プロの世界にパッと入ったときに、勝利に対して貪欲というか、勝負強いチームを作り上げる。

それは簡単にできることはないと思います。

マネジメントや選手とのコミュニケーションもそうですし、首位に導くチーム作りをしているというのはすごいとしか言えないです(笑)。

――黒田さんとの思い出深いエピソードを教えてください。

高校2年生の夏ぐらいから自分はスタメンで使ってもらっていたんですけど、

黒田監督から練習中に呼ばれて「最近なんでお前を使っているか分かるか?」と聞かれて。

そのときは自分の攻撃的な部分を評価して使ってくれているのかなと思っていたんですけど、そう答えたら「いやそうじゃない」と言われて。

そしたら「お前は攻撃の部分もそうだけど、守備の部分でチームのためにハードワークして計算できる選手だから使っているんだ」と言われました。

正直そこから自分の考え方がちょっと変わりましたね。

チームのために体を張る、頑張る、走りきる、献身性を見てくださっている指導者がいるんだと感じて。

チームのために運動量、攻守に渡ってアグレッシブに戦う献身性を大事にしようと、そのときからずっと思って、いままでやっています。

その当時の言葉があったからこそ、いまこうしてプロの選手になれました。その言葉が一番印象強いですね。いまでも大事にしています。