ただ、この試合で何より大きかったのが怪我で戦列を離れていた角田涼太朗とヤン・マテウスが調子を取り戻し始めたことではないか。前半は中々本来のプレーが発揮できなかったが、試合が進むにつれてだんだんと本来の姿を取り戻してきた印象があった。

次節のヴィッセル神戸戦に向けてしっかりと調整できれば、首位攻防戦でアドバンテージを得ることも可能だろう。ここからの正念場をどう乗り切るかが優勝への鍵となる。

一方の鹿島は大逆転優勝を目指す中で痛い敗戦となった。

間違いなくいい試合はできていた。復帰した柴崎岳が前半は素晴らしいゲームメイクをみせ、先制点も奪った。後半も良い形でテンポよく攻められていたが、最後は決定力に悩まされた。78分のアルトゥール・カイキ、93分の鈴木優磨の決定機を決めきれなかったのは痛恨だった。

守備に関していえば、ロペスに決められた2失点は防げたはずだ。

同点ゴールはコーナーキックを繋がれて最後は押し切られてしまった。ヤン・マテウスにしっかりとチェックに行けていれば、中央に放り込まれることもなかっただろうし、ボールを揺さぶられたことで安西幸輝がマークを剥がされてしまい、若干余裕がある状態でロペスに打たせてしまったのが原因だろう。

2失点目は枚数は揃っていたが、かなりラインを低くとったことでヤン・マテウスへのプレッシャーが遅れ、ロペスをマークしていた樋口雄太がボールウォッチャーになり簡単に剥がされて詰められてしまった。守備の詰めの甘さが露呈した形になった。残り6試合をどのように戦うのかに注目だ。

【関連記事】アンデルソン・ロペスがJ1得点王へ!Jリーグが育てた「“自己中”ストライカー」の成長譚。

今シーズンの明治安田生命J1リーグも残り6節。優勝争いを演じる両チームがここからどのような戦い方を見せるのか。最後まで目が離せない。

【厳選Qoly】この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2024-25年/MF・DF・GK編)