25日にJ1開幕第1節の東京ヴェルディ対横浜F・マリノス戦が東京・国立競技場で行われ、2-1で横浜FMが勝利して好発進した。Jリーグ創設初試合となる「93 Jリーグサントリーシリーズ第1節」が1993年5月15日に国立競技場できょうと同じカードが組まれ、横浜マリノスがヴェルディ川崎に2-1で初白星を飾った。

偉大な父に続いて宿敵を打ち破る

この日横浜FMの元日本代表MF水沼宏太は4-1-2-3の右ウィングで先発して開幕戦に臨んだが、序盤から東京Vの勢いに押し込まれる形で良さを出すことがなかなかできなかった。

ボールを受ければ東京Vイレブンが素早く寄せて、水沼が得意とする豊富な運動量を生かしたサイド攻撃を阻止された。張り付くようなディフェンスに戸惑いながら、押し込まれる展開が目立ってしまった。

水沼は「ピッチのコンディションもありましたけど、『(相手がチームを)分析してきてたな』という印象がすごく強い。僕らはビルドアップの部分でモタモタしてボールを繋いでいる感じもあった。僕のところもエウベルもそうでしたけど、サイドに入ったときにもうはめられた状況でボールが来る状況が多かった。そこをなんとか早めに真ん中の選手やインサイドハーフの選手が、ピックアップしながら前進することができれば良かったですが、前半はなかなかそこを改善できずに試合が流れていったと思います」と相手に押し込まれた原因を振り返った。

序盤の前半7分に横浜FMのGKホープ・ウィリアムのファウルから東京VのMF山田楓喜の直接フリーキックにより先制を許した。そこから勢いづいた相手に押し込まれ、ゲームを相手に支配されてしまった。

「最初に自分たちの隙を突かれたというか、ハンドであそこからフリーキックみたいなシーンは立ち上がりに作っちゃいけないです。あそこで勢いに乗らせてしまった。ヴェルディの選手たちの前に出てくる勢いや、ここは繋ぐ、ここは大胆にみたいな使い分けは見習うべきところもたくさんあったかなと思います。でも最後に勝てたので、みんなに感謝したいと思います」と危機を振り返りながらも、冷静に相手から学びを得ていた。

公式戦2連勝を飾った一方で、今季のチームはボールを支配して多彩な攻撃で圧倒する“マリノス”らしさが影を潜めている。

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16では格下と目されていたバンコク・ユナイテッドに第1戦で2-2と引き分け、第2戦は延長後半終了間際に得点して1-0で勝ち切った。この日の開幕戦もJ1昇格組の東京Vに苦戦を強いられる形で、試合終盤の後半48分にDF松原健のミドルシュートで逃げ切った。

当然この状況に水沼自身も満足しているはずがない。「ACLの2試合のプレッシャーの掛けられ方と、ヴェルディのプレッシャーの掛け方は異なっていた。プレッシャーをうまく掛けられると剝がせないシーン、ビルドアップのところで剥がせないシーンが多かったりする。そこはもっともっと自分たちがやらないといけないと思います」と気を引き締めていた。