「第2球技場と健康広場の代替地に関し、県が案を提示し、八橋運動公園の設置者である秋田市が提案に対する考え方を示すという手法で検討を重ねたが、いずれの案も秋田市が求める条件を満たさず、現実的な解決策を見出すことはできなかった。 県・市とも、さらなる代替地の案はなく、課題解決の見通しがないことから、当地への整備は困難である。」

当時検討された3つの候補地の中では八橋運動公園を推す声が最も多く、県もここでの整備を目指し動いていた。

しかし、使用できなくなる第2球技場と健康広場の代替地選定で難航。いくつもの候補地を提案するも、八橋運動公園を管理する秋田市の賛同を得られず、同公園内での整備は困難と判断された。

ところが、秋田市が八橋運動公園での整備が困難な理由の一つとして挙げていた「ラグビー関係者など現スタジアム利用者の理解を得られない」という点に関して、今年5月に産経新聞が「事実と異なる報告があった」と報道。

ラグビー関係者の中でも当時から八橋運動公園でのスタジアム整備にむしろ賛同する声のほうが多かったことが明らかとなっている。

また、状況的な変化もある。Jリーグは昨年12月、「Jリーグスタジアム基準」を改訂。入場可能数に関して以下の文言が追加された。

「Jリーグ規約第34条に定める『理想のスタジアム』の要件を満たし、ホームタウン人口等の状況、観客席の増設可能性(特に敷地条件)、入場料収入確保のための施策等を踏まえて理事会が総合的に判断した場合、5,000人以上(全席個席であること)で基準を満たすものとする」

これまでJ2で必要だった「10,000人以上」から、条件はあるものの地域事情に応じる形で「5,000人以上」へと緩和されたこともあり、風向きは変わりつつある。

そうしたなかで出てきた穂積市長の今回の発言。八橋運動公園の管理者である秋田市がこれまで挙がった課題に対し、本気で取り組めば解決につながる可能性は十分にあるだろう。

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2025シーズンのJリーグクラブライセンスの申請期限が6月末に迫るなかで、状況がどのように推移していくのか見守りたい。

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